waca-jhi's diary

笑いも涙も浄化には大きい力になるといいます。そしてカルチャーショックは気付きの第一歩、たとえ小さくても感動は行動への第一歩。

龍笛のケースと高麗笛のケース (坂根龍我 作品 紹介№402 )

さて、龍の鱗の輪郭を先に描いて金属粉を薄く蒔く。

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それを漆で固めてから胴の背側を描いて蒔きボカす。

この段階でかなり印影がハッキリしていてもなかなか上手く出てはくれない。

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どうなるか半分楽しみで半分はコワイ。笑

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まだ道は遠い。

 この記事は彦根市の漆の工芸家、坂根龍我さんの
了解をいただき、F.B.投稿を紹介させていただいています

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龍笛ケース 続き さて、龍の鱗の輪郭を先に描いて金属粉を薄く蒔く

                

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難病とは

娘が突然、難病宣告を受け、その闘病生活で感じたこと

「治してあげたい、しかしサポートをしてくれるところがない」

「何を信頼すればいいのか分からない」

「知識、経験がない」

そんな中で始めた食事療法や漢方薬鍼灸など

ありとあらゆる事を行い、娘は回復し健康体を取り戻しました。

”治らないと言われた難病が治った”

しかし、その道は言葉にできなほど、厳しいものでした。

そんな4年間の気持ちを残そうと始めたブログ

そこに集まってきた多くの難病相談

そんな流れで始まったアドバイス

多くの難病患者が健康体を取り戻していきました。

そこには、たくさんの喜びの言葉と元気な姿がありました。

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この記事は「病気」ではなく「健康」の観点で読むためにFBページ
難病克服支援センターさんの了解の上、記事を転載しています。

 その言葉と姿が私の苦しかった闘病生活を浄化させてくれたのです。

そんなことがあり「難病克服支援センター」を立ち上げたい

そんな気持ちになっていきました。

いろんな苦しい出来事には意味があったんだ

そう思えるようになり、今ではその経験が宝物になっています。

娘に続き、多くの方が病気を克服し

本当の笑顔を取り戻すことが我々の喜びと願いです。

難病克服支援センター

「頑張るみなさんの嬉しいお知らせ(難病回復例)」

 ご息女が五歳の時に筋ジストロフィーと診断され五年後には寝たきりになるとの宣告を受け、一時は悪化していたものが「小さな光を追いかけ続けた結果約四年で血液検査も正常に戻り、自力で立て、走れ、自転車に乗れるまで回復・・」との体験をもとに、難病克服支援センターを運営していらっしゃいます。

                 

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なぜ発病するのか

人は自律神経の働きによって体の機能をコントロールしています。

緊張して手が震えるのも、震えることで体を解し緊張を解いてるんです。

暑いと汗が出るのも体内の熱を逃がして冷やしているんですよね。

人が意識しなくても体が自然と行ってくれているんです。

その時、その時の状態に状況に自然と体が合わせてくれているんです。

普段は当たり前になっていることですが改めて考えると、体は凄いというか不思議な物体ですね。

この自律神経には2つのモードがあり

一つは「交感神経」もう一つは「副交感神経」です。

交感神経は活動モードを言われています。

副交感神経は休息モードですね。

活動モードというと体が活発に動いているイメージがありますよね。

休息モードといえば体が休んでいるイメージがあります。

しかしこれ、間違いです。

人間が活動している時のモード、休息している時のモードという意味で

病気を治す上での体内機能(修復機能)や内臓などの働きは、この逆なんです。

確かに、昼間に人が活動している時は、その活動に合わせて体は動いています。

汗をかいたり、心臓を強く動かしたりしています。

活動モードに体が合わせてくれてるんですよね。

しかし、この時は呼吸は浅く、内臓の働きを緩めているんです。

血管も収縮しているので血流も良くありません。

なぜかというと、人が活動できることを最優先し体の修復を後回しにしているんです。

そして夕方以降になると、副交感神経優位にモードが切り変わり体の修復機能が優先され始めます。

ですので、心も体もリラックスしている時に、体内での修復機能はフルに活動しているという訳です。

この時は呼吸も深く、 内臓の働きも非常に良いんです。

またそれと同時に、血管を拡張し血が酸素や栄養をたくさん運べるようになっています。

修復には酸素も栄養も必要だですからね。

ですので、活動モードと言われている交感神経優位の時に体内での修復機能は活動せず

休息モードと言われている副交感神経優位の時に体内は活発に動いているんです。

要は、人が意識を強く持って行動している時は、それに必要な機能が優先され、それ以外の機能を最小限にしているということです。

逆にリラックスし休息している時に、活動中に生まれた不具合や炎症を必死で修復しているのです。

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何もしていないのに体が怠いという時は、この時なんですね。

なぜ、こんな説明をするかというと

難病になる人は継続的なストレスを抱えていたり

頑張りすぎてずっと動いていたり、交感神経優位な状態が継続的に続いた方が多いんです。

それが過去に何年も続いて、長年の体の歪や不具合が後回しにされ続け修復されずに溜まってるんです。

そして、もうこれ以上は溜められない。。。生きることが出来なくなる。。。ってなった時

体は最終手段として人の意識や活動を無視し、必死で修復することを選択するんです。

それが発病です。

このままだと、生きることが出来ないから発病という手を使って生きることを選択しているんですね。

高性能な体は、こういう判断をもするんです。

しかし、これをも薬で止めようとします。

薬を飲みいったんは症状が抑えられても、それでもまた体は必死で生きるために修復をしようとします。

その時にまた症状は現れます。

それを「再発だ!」と言っているのが現状です。

こういう事を理解した上で、薬を一時的にうまく使うのはいいのですが

治らないから「難病だ!」と思っている人も多いんです。

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ですので、過去に体に修復時間を与えず、発病せざるを得ないほど心や体に無理をし続けたこと

そもそもそれが原因で発病していること

そういう過去の自分を卒業することが治る近道だと思います。

そして食事を変えることでストレスに強い体に変えることも大切です。

元気な体に戻った人は、このことに気づき当たり前のように理解されてる人も多くいます。

そういう人が実体験をもとに、もっと多くの人に伝えて欲しいと思います。

難病克服支援センター

 ご息女が五歳の時に筋ジストロフィーと診断され五年後には寝たきりになるとの宣告を受け、一時は悪化していたものが「小さな光を追いかけ続けた結果約四年で血液検査も正常に戻り、自力で立て、走れ、自転車に乗れるまで回復・・」との体験をもとに、難病克服支援センターを運営していらっしゃいます。

                 

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龍笛のケースと高麗笛のケース (坂根龍我 作品 紹介№401 )

シベも黒で描き、漆を擦り込み最後の磨き。

施主様からは塗りでとのご依頼だったので、極端な絵の主張は避けた。

ただし!

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これだけは主張させていただきました!

蓋の天に螺鈿の桜を施したのだ!( ̄^ ̄)ゞスンマセン

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さて、お送りいただいた白木の高麗笛ケース。黒塗りに姿を変え終了です。^_^

後は銘を入れるだけ。

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楽しかった!

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おおぉーっと!まだ龍笛が控えております。

楽しいのはまだ続きます!

                

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え〜、蒔絵師の僕チンが塗り磨きだけで済ませる筈はなく・・。

                

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龍笛のケースと高麗笛のケース (坂根龍我 作品 紹介№400 )

え〜、蒔絵師の僕チンが塗り磨きだけで済ませる筈はなく・・。

黒塗りに黒で桜を少しだけ散らした。これを『夜桜』と呼ぶ。

元々は漆塗りがまだ若いうちに漆で絵を描き、しばらく置いてから拭き取ると、まだ若い塗りが絵の形に膨れたように浮き上がる。

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これをそのまま艶を上げると、とても薄ぼんやりと黒塗りに黒絵が浮き上がり、控えめで上品な仕上がりになる。

この技法を夜桜と呼ぶんだ。

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これもなかなか塗りの技術とタイミングのいる仕事である。

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なので、今回は黒で少しだけ盛るように描いた絵をそのまま乾かし磨きをかける事で薄ぼんやり感を出す事にした。

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龍笛のケースと高麗笛のケース (坂根龍我 作品 紹介№399 )

同じ漆を扱う職種でも根本から違うのだ。

とは言え、自分の失敗しない厚さでの塗りに研ぎ上げて艶を上げる事は出来る。

さて、上塗りを丁寧に研ぎ上げて磨いた。

ここから艶上げの作業なのだが・・蒔絵師の僕チンがこれだけで終わらすはずはないのである。

どーなるかは次の投稿にて!イシシシ。

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でもって、龍笛ケースの龍。

蒔きぼかして印影をつけていく。

ボカシの技法を使うにはパーツが隣接しているため、1日に進められる作業は僅かだが・・面白い!

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明日はここを!の期待感がたまらない!

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最終的に銀龍になる。

                

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坂根 龍我 - 龍笛、高麗笛ケース 続き

                

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龍笛のケースと高麗笛のケース (坂根龍我 作品 紹介№398 )

下塗り、中塗りを終えた高麗笛ケースを研ぎ上げて上塗りを施した。

蒔絵師である僕には、美しく塗り上げて艶消しで仕上げるというのは至難の業である。

蒔絵師は金属粉を蒔き、絵を表現するため薄く均一に塗る事を修行させられる。

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反して塗師屋は研ぎ上げたり、蒔絵が乗り磨かれても塗り面が剥げたりしないよう均一にポッテリと限界の厚さまでホコリを付かせず塗る事を修行させられる。

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 また漆を乾かす室の中の湿度も蒔絵と塗りでは違ってくる。

同じ漆を扱う職種でも根本から違うのだ。

                

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坂根 龍我 - 龍笛、高麗笛ケース 続き

                

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龍笛のケースと高麗笛のケース (坂根龍我 作品 紹介№397 )

少し時間が空いたが、高麗笛ケースの下地を計3回施し、

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研ぎ上げて下塗りに入る。

下塗りも計3回行った。

そして、拭き漆の仕上がった龍笛ケース。

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蒔絵はやはり『龍』をご所望との事で、ラフスケッチを描き、型を取ってケースに押した。

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 さぁ、ここから蒔絵に入っていく。

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やはり楽しい。

                

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〜徒然なるままに ② (坂根龍我 作品 紹介 番外2 )

‥‥そして、「これ、ぼんさんに。」と渡されたお祝いは、まだ小さな僕には両手で抱えるのも大変な大きな包みだった。

包みを開けて箱の蓋を取ると、鉛筆削り器、筆箱、綺麗な色の鉛筆やコンパス、分度器、定規など文房具がまるでおもちゃ箱のようにセットになっていた。

それらはバラバラに買って詰めたものではなく、キチンとそれぞれの場所に収められていて、当時はまだ珍しい、セット販売されている高級な品だと一目でわかるものだった。

現在の僕の文房具好きは、もしかするとこの時の出来事に発端があるのかもしれない。

先の彼女の挨拶は僕には覚えがなく、かなり後になって母から聞いた口調なのだが、文房具に夢中になっている僕の手を、両の手で優しく握って彼女が言った言葉は何故か今もハッキリと覚えている。

「ボンさん、ぎょうさんお勉強しゃはって、偉ぅて優しい人になっておくれやす。」

この後の記憶がもう僕には曖昧で、無いに等しい。

その人がどれくらいうちに居たのか、どんな話しをしたのか全く思い出せない。

それどころか、実は顔も覚えていないのだ。

薄い浅葱色と淡いみどりに染められた涼しげな着物の色、白い日傘、僕の手を包んだ白くて細い綺麗な指、片手で袂とを押さえバイバイをしてくれた優しい立ち姿。

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春の淡い風の中に去って行く後ろ姿だけが、ただ「美しいひと」として想い出をくすぐるように僕の中に生きているのである。

その後僕は学校のために、祖母に祇園に連れて行ってもらう事もなくなってしまい、いつしか置屋さんも芸妓、芸者さんも遠くなってしまったのだが、あの時にいただいた文房具セットの中の鉛筆削り器は本当に長く使っていた。

確か高校生の時もまだ使っていたように思っている。

祖母は97歳で天寿を全うしたが、最後まで筆と共に生きていた。

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 春の風が舞い、少し暖かくなる頃、懐かしく思い出す僕の大切な心象風景である。

浅葱色の彼女が言ってくれた「偉くて優しい人」には程遠い僕ではあるが、どうにかこうにかそれなりには生きている。

しかし・・・今、この歳で祇園で遊んでくれなんて言うと、とんでもなく元手がかかるんだろうなぁ。

                

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〜徒然なるままに〜①(~②) (坂根龍我 作品 紹介 番外1 )

祖母は書家であった。

表現する者が殆ど通る道のように、祖母も幾つか大きな公募展で受賞した経験を持っており、その腕前は段を超えて別格だったと聞いた事がある。

小学生の頃、何度か書展に同行し、大きな会場に飾られ受賞した祖母の作品を誇らしく見ていた記憶がある。

気丈な祖母は、80半ばくらいまで独りで暮らし、受賞経験や免状をもって自宅で書道教室を開いており、その収入で悠々と生活をしていた。

年齢層も広く、子供から大人までを教え、かなりの数の生徒さん達に囲まれていたように覚えている。

祖母は先様に出向いて教える事もしていた。

何件かあったその中に、京都祇園置屋さんがあった。

請われてそこの芸妓さん、芸者さんに字を教えていたのだ。

その置屋さんに出向く時、祖母はまだ学校に上がる前の幼い僕をよく連れて行ってくれた。

ベンガラ格子、少し薄暗く夏には涼しい香の香りのする部屋、色々な形の甘く美味しい落雁の味、祖母が教えている間、別室で僕を遊んでくれた優しい日本髪の少女の手、おはじき、お手玉、カルタ、髪をほどいたお姉さんに抱かれて入った風呂の湯の心地良かった事、まだ遠い記憶の中に生きている。

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僕は「ボンさん、ボンさん」と皆から呼ばれてたいそう可愛がられていたようだった。

帰りにはいつもお菓子を土産に持たせてもらい「ボンさん、また、おいないや(また、おいでね)」の声を聞きながら、おそらく祖母の生徒さんだった何人もの芸妓、芸者さんに見送られて格子戸を後にした。

その日、もうすぐ小学校にあがるという日。少し風のある晴れた日だったように記憶している。

「ごめんくださいまし」と人が訪ねてきた。

迎えに出た母の「まぁまぁ、どうぞおあがりください」の声の後「へぇ、すんまへん、ほな失礼します。」と、着物姿の女性が入ってきた。

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その人は、うちの玄関からの狭い上がり框に三つ指をついて部屋にいた親父に挨拶をした。

「お寛ぎのところ、かんにんどっせ。

いつもウチで◯◯先生(祖母の名前)にお世話になって、字ぃ教えてもろぅとります。

ボンさんがもうすぐ学校に上がらはるいうて聞きましたさかい、お祝いに寄せてもらいました。」

驚いた親父はドテラももひきのまま居住まいを正し「それはそれは・・」と彼女を招き入れた。

そして、「これ、ぼんさんに。」と渡されたお祝いは、まだ小さな僕には両手で抱えるのも大変な大きな包みだった。

                

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