〜口の悪いサンタ〜 RyuGaの絵の無い絵本 (坂根龍我 作品 紹介№306 )
え〜、今までたまぁ〜に弟子の頃や幼い頃の話など
投稿させていただいておりましたが、ちょいと物語を書いてみました。
構想は10年以上前になるのですが、最近少し時間の空いた時に
わずかづつ書いて残してました。
あまりの才能の無さに少々凹んでおりますが・・
クリスマスにまつわるお話です。
よろしければお付き合い下さいませ。
クリスマスキャロル
〜口の悪いサンタ〜
RyuGaの絵の無い絵本
夜の空気に、吐く息が白くなってきました。
やがて天から真っ白な冷たい花のような雪が降って来て、良い子達が楽しみにしているクリスマスがやってきます。
皆さんはサンタさんが何人いるか知っていますか?
実はサンタさんはイッパイいるんです。
もちろん最初は1人でした。
でも、クリスマスを祝うことが世界中に広まって、とても1人のサンタさんだけでは良い子達にプレゼントを配りきれなくなったんです。
これは困った!とお考えになった神様は、クリスマスが世界に広がるごとにサンタさんになる精霊を増やしていかれたのですよ。
それに、内緒ですが、精霊であるサンタさんにも人間と同じように寿命があるんです。
サンタの寿命を全うしたサンタさんは、さてどうなるのでしょう。
たくさんいるサンタさんなので、中には少々変わった性格のサンタさんも生まれるわけで、簡単に言うとあまり出来の良くないとでも言うのでしょうか。
これからするお話しは、そんな少し変わったサンタさんのお話しです。
さてさて、もうすぐ天の国では大忙しになります。
それぞれのサンタの家でも。皆準備に追われて大変です。
そのサンタは天の国の外れに住んでいました。
怠け者でとても口の悪いサンタでした。
「なぁにをそんなに急いやがるんだ。
まだまだ時間はあるじゃねーかよ。
ま、俺はゆっくり酒でも飲みながらやるさね」
とこんな具合。
困ったサンタです。
それでもクリスマスイブの夜には、この口の悪いサンタも何とか準備を整え、たくさんのサンタさんと同じようにソリに乗ってトナカイを走らせ下界へと飛び立ちました。
「あ〜、やれやれと。
どの辺りから廻ってみようかな。
先ずはイッパイ。」
口の悪いサンタはそう言うと、真っ赤なタップリとした服の袖から1本のワインを取り出して、グイグイと飲みました。
「かぁー!うめぇ!
やっぱこの景気付けがねぇとクリスマスになんて働けねぇ!」
イブの夜はとっぷりと更けて、街の家々子供部屋の灯りも落ち、あたりは深い静寂(しじま)が広がっていました。
そんな中、1軒の可愛いお家の2階の窓口に小さな灯りがチラチラと揺れているのが見えました。
「あん?なんだ?良い子はみんな寝てる時間じゃねぇのかよ。
ま、しかし・・なんだな、起きてるトコロへそっと入って行って、見つからないってのがサンタのウデの見せ所ってやつだな。
今夜はあの家からやってやるか!」
そう言うと口の悪いサンタは、トナカイ達の手綱を引き、可愛いお家の屋根にソリをそっと停めました。
そしてソリから降りた口の悪いサンタ、後ろに乗せてある、良い子達に贈るプレゼントがいっぱい詰まった白い大きな袋を覗き込みました。
「え〜と、ここのガキのプレゼントは・・と。
可愛いパジャマ・・よし!これだな。
それじゃトナカイ達、行ってくらぁ。
おとなしく待ってるんだぜ。」
トナカイ達は首を振り振り、おとなしく待っています。
「ちぃせぇ家にちぃせぇ煙突だなぁ。
俺、入れるかな。
ま、何とかなるか!
ホイッ!」
サンタは精霊なので体の大きさは自由にかえられます。
でも、口の悪いサンタはその力を使うのが面倒臭いのです。
文句を言いながら煙突を下りて行きます。
「・・・もう少し掃除くらいしろよな・・・。
これじゃ、俺様の上着が汚れるじゃねぇかよ。」
それでも何とか火のない暖炉に抜けた口の悪いサンタ、上着に着いたススをポンポンと手で払いながら子供部屋を目指します。
子供部屋は2階にあるようでした。
口の悪いサンタは音をたてないように、とても注意深く階段を上がって行きました。
さっきも言いましたが、サンタは精霊なので小さくなったり姿を消して行動する事も出来るのですが、この口の悪いサンタに到っては「見つかるか見つかんねぇかのスリルがたまらねぇ!」という事らしいのです。
to be continued・・・・・
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