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waca-jhi's diary

笑いも涙も浄化には大きい力になるといいます。そしてカルチャーショックは気付きの第一歩、たとえ小さくても感動は行動への第一歩。

〜口の悪いサンタ 10 〜 RyuGaの絵の無い絵本 (坂根龍我 作品 紹介№315 )

クリスマスキャロル
〜口の悪いサンタ〜

RyuGaの絵の無い絵本 第10話

 

すると小さな光の玉がフッと現れ、サンタの目の前で大きくなり、神様が現れました。

「・・お前か・・。

どうした?いつもの勢いでは無いな。

お前にとって私は神公ではなかったのか?」

「今までの事は謝ります。

・・いや、お・・お詫びします。

だから!・・ですから!どうか、俺の話しを聞いてください!

お願いします・・お願いします・・・。」

口の悪いサンタは一生懸命言葉を直しながら、頭を下げて神様にお願いをしました。

「・・どんな話しなのか、とにかく聞こう、話してみるがいい。」

「はい!ありがとうございます‼︎」

神様にお礼を言うと、口の悪いサンタは亡くなってしまった男の子の事を話し始めました。

父親が、母親がどんなに悲しく辛い日を送っているか、自分が何を感じたのかを一心に話しました。

「俺は俺だけでいいと思ってた。

関心があるのは自分とトナカイ達の事だけ。

自分が満足していられればいいと思ってた。

他人と何かを分け合うなんて考えもしなかったんだ。

・・・違ったんだよな・・。

ボウズがいなくなっちまって・・俺は悲しくて、寂しくて・・。

自分がどうかなっちまうより辛くって・・・。」

「お前にも少しは学ぶ心があったのだな。

それで、少しは変わった自分を報告に来たという訳か?」

神様の問いに、口の悪いサンタは姿勢を正し真っすぐに神様を見つめて言いました。

「違う!報告にきたんじゃねぇ!

お、お願いに来ました!

神様にお願いがあって来ました!」

「お前が私に願い事があると言うのか?

・・ほぉ・・・、わかった、それも聞かせて貰おう。」

こんな事は初めてでした。

口の悪いサンタの真剣な眼差しを見て神様も威厳を保ってサンタに向かいます。

「神様、俺の寿命の半分を差し出します!

ですからどうか、あのボウズを健康にして、地上に戻してやってください!

神様、どうかお願いします!」

口の悪いサンタはそう言うと、神様の前にかしづくように座り、深々と頭を下げました。

「あの子供の死を無かった事にしてくれと願うのか?」

「はい!どうかお願いします!」

神様は口の悪いサンタを諭すように話しました。

「地上の理りで、1度生を終えた者が再び蘇るということは無いのだ。

ヒトは限られた時の中で、それぞれが目指す人生を謳歌して去ってゆくもの。

その事に生の長い短いは関係ない。

それでもお前は、その理りを曲げてでも、あの子供を戻して欲しいと心から願うというのか?」

口の悪いサンタは、今度は顔を上げ神様の眼差しをしっかりと見つめて言いました。

「はい!願います。

俺があんなヒネクレを起こさずに、神様の話しをちゃんと聞きさえしていれば、ボウズは今元気でいるはずだった。

俺がバカだったばっかりに、ボウズは願いを叶えられなかった。

どうかお願いします!

あのボウズを戻してやってください!」

神様は、今度はしばらく何かを考え、ゆっくりと口を開きました。

「そうか・・・、その願い叶えてやれない事もない・・・。

だが、去年とは条件が変わってしまった・・・。

お前のサンタとしての寿命の全てを私に差し出すというのならその願い、聞き入れる事が出来る。

生命有るものの生とはそれ程に尊くて重いのだ。

その子供の命を戻すには、その子供に関わりを持った、サンタであるお前の寿命の全てをもって願いとしなければ聞き入れる事が出来ないのだ。

どうだ、私に差し出すことがお前にできるか?」

自分の寿命全てと聞いた口の悪いサンタは少し驚き俯いて、わずかの間何かを考えていました。

でもすぐに顔を上げて真っ直ぐに、そして静かに言いました。

「はい、俺の寿命の全てを差し出します。

俺は精霊ですからね。

あのボウズを戻してやってください!」

神様は口の悪いサンタの決心が本物かどうか、しばらくサンタの瞳を見ていましたが、やがて優しく言いました。

「お前の決心はよくわかった。

願いは聞き入れた。」

「ありがとうございます!

ありがとうございます!」

口の悪いサンタは、ひれ伏して何度も神様にお礼を言いました。

 この記事は彦根市の漆の工芸家、坂根龍我さんの
了解をいただき、F.B.投稿を紹介させていただいています

全ての話しを聞いていたトナカイ達が、口の悪いサンタにすり寄って、別れを惜しみます。

「おお!スマンな、俺はもう面倒を見てやれねぇが、お前達は立派なソリ引きだ。

きっと誰かいいサンタが面倒見てくれるにちがいねぇ。

今までありがとうよ。」

神様はトナカイ達を見て優しくうなづきました。

そして、口の悪いサンタは、トナカイ一頭一頭の首を優しく撫でてやると神様に向かって言いました。

「さあ、もう思い残すことは何もねぇや!

清々しい気持ちだぜ!

こんな心持ちは初めてだ!

何か嬉しくなってきたぜ!

さ、神様!

そろそろ俺の願いを叶えてやって下さい!」

神様は優しい微笑みををたたえながら言いました。

「では、お前の寿命の全てを受け取ろう。

目を閉じて、静かにしているのだ。」

言うと神様もそっと目を閉じ、両手をすくうように口の悪いサンタに差し伸べました。

やがて神様の両手の間に大きな眩い光の渦が生まれ、口の悪いサンタをグルグルと包んでいきます。

(あぁ、なんて心地いいんだ・・・

暖かくて・・目を閉じていても眩しいくらいだ・・。

・・でも・・元気なボウズに、ひと目逢いたかったなぁ・・・)

やがて口の悪いサンタの意識は光の彼方へ、まるで吸い込まれるように遠のいていったのです。

To Be Continued・・・・・・・

明日の最終話に続きます。^_^

                

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