ともだち
身体の不自由なYにとって、Nは唯一の親友でした。
優しく気遣ってくれる友達、守ってくれる友達はたくさんいました。
しかし親友は、Nだけでした。
それは、NがYを特別扱いしなかったからだと思います。
Yをたくさん助けてくれました。
下駄箱の靴をとって履かせてくれてました。
車椅子も押してくれました。
時々、猛スピードで。
それらは、さりげなく普通にしてくれました。
世話ではなく、不思議なくらい普通にです。
遠慮せず、気を使わず、普通に話してくれました。
特別な目で見ることなく、優しく労わるでもなく、普通に・・・
そんな、2人が小学4年生になったころ
学校の帰り道、別れ際に
Nが突然、真剣な顔で
FBページ、「難病克服支援センター」の記事を転載しています。
「あの…Yちゃん…」
「ん?なに?Nちゃん」
「私たちもう高学年やん、呼び捨てでええと思うねん、高学年になったら、みんな呼び捨てで呼び合ってるやん、みずほ、とか、みなこ、とか」
「うん」
「私たちも今から呼び捨てで呼び合いたいねん」
「うん」
「Y、って呼んでもいい?」
「ん??」
「じゃあ、N、って呼ぶわ…」
そんな2人は今、中学3年生
今でも親友です。
「Y」「N」と一度も呼び合う事なく、今でも、Yちゃん、Nちゃん、です。
”2015年8月 二人でイヤホン分け合って同じ音楽を聴きながらの花火鑑賞 ”
ご息女が五歳の時に筋ジストロフィーと診断され、五年後には寝たきりになるとの宣告を受け一時は悪化していたものが「小さな光を追いかけ続けた結果約四年で血液検査も正常に戻り、自力で立てる、走れる、自転車に乗れるまで回復しました」との体験をもとに、難病克服支援センターを運営していらっしゃいます。